外国人と医療機関①

休暇中、担任をしているクラスの学生からLINEが来た。「病気になってしまったが、どの病院へ受診しに行けばいいのかわからない。どこも閉まっている。」私はすぐに救急相談センターに電話をし、その学生が住んでいる近くで、週末でも緊急外来の対応をしている病院を探してもらった。3つの病院を電話口で聞きながら急いでメモをした。音声案内が2回流れるのだが、1回目ですべて聞き取ってメモをするのは、日本人の自分でも難しいと感じた。ましては、つたない日本語の外国人であれば、まず緊急相談センターには電話はできないなと感じながら、書き取った病院に電話を掛けた。

まず、電話をして衝撃だったのは、緊急外来を必要としているのが外国人だとわかった時の病院側の反応だった。「その人、日本語は話せますか?」「いいえ、日本に来たばかりでほとんど話せません。」「じゃあ、うちでの受診は無理ですね。受診内容を正確に本人に伝えられませんから。」まさか、断られることがあるとは思っていなかった。 他の病院にもかけたが、反応は似ていた。「保険証もっていますか?受診料が未払いになると困ります。」これが今の日本の医療機関の現状なのかと落胆した。最終的に、通訳できる人が同伴できるなら大丈夫ですよと言われた病院に行くことになった。たまたま私はその学生の話す言語を習ったことがあったからだ(あきらかに医療用語を通訳できるレベルではなかったが、できると言わなければ受診させてもらえなかった)。

外国人がこれだけ増えているにもかかわらず、誤診を招くと責任が取れないからと、日本語が話せなければ緊急外来の対象外になってしまうという非情な現実。すべての病院がこのような対応をとっているのかはわからないが、少なくとも電話をかけなかった病院が、積極的に外国人の緊急外来を受け入れているとはとても思えない。

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