コロナ禍で自己都合退職にさせられ、失業給付を受給できない労働者が急増

  離職理由が「自己都合」か「会社都合」かによって、失業給付の受給条件が変わってくる。最近、コロナの影響を受けて閉店・経営悪化で解雇されたのに、会社から自己都合退職にされて、失業給付を受取れない非正規の人が増えているらしい。労働者側も、失業給付の受給条件について十分な知識を持っていないことも多く、ハローワークに行って気が付くことも多いようだ。ただ、問題なのは、会社と交渉したとしても、労働者側が泣き寝入りするパターンが大半だということだ。離職証明書を提出するのは会社側(事業主)で、いくらハローワークを通じて労働者が離職理由について異議があると訴えたところで、会社側が訂正することはない (労働者が異議を唱える制度はあるが機能していない)。会社都合退職に訂正するには、労働者側による「離職理由を裏付ける客観的な資料等の提示」が必要になるが、そのような資料を準備できる労働者はほとんどいないだろう。

【自己都合退職の場合】
・原則として、離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要。
・失業給付の支給期間は、90日~150日 ※年齢、被保険者期間による。

倒産・解雇等による離職者(就職困難者を除く)図表

【会社都合退職の場合】
・離職前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上必要。
・失業給付の支給期間は、90日~330日 ※年齢、被保険者期間による。

倒産解雇等以外の事由による離職者(就職困難者を除く)図表
離職理由の判断手続きの流れ
ハローワーク インターネットサービスhttps://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_basicbenefit.htmlより

 会社に不満があれば裁判を起こすことも可能だが、裁判に持ち込むと時間と手間、さらにお金もかかってしまう。会社との交渉はあきらめて、次の転職先を探す人が多い。そもそもなぜ会社側は、会社都合にしたがらないのだろうか?おそらく、下記の理由によると思われる。

・一部の助成金の対象外となる
・裁判で訴えられる可能性がある
・ブランド力や社会的信用を落とす恐れがある
解雇予告手当金を支払う場合もある
※通常解雇する場合は、30日以上前に解雇予告をしなければならない。もし解雇予告をせずに解雇する場合は、解雇者に対し手当を支払わなければならない。

 雇用形態や働き方などが多様化する今、現在の雇用保険の補償からこぼれ落ちてしまう人たちを見過ごしたままでいいのだろうか。

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