盲目の人への漢字指導

道村静江『口で言えれば漢字は書ける!』盲学校から発信した漢字学習法、小学館、2010年

今の自分の日本語学校での漢字指導のやり方に満足がまったくできずにいた。そんなときに、盲学校で漢字を指導していたという教員の漢字指導書に行きついた。目が見えない人に、どうやって漢字を教えるのか?そこに書かれていた内容は、十分に外国人にも適用できるものだと感じた。「漢字はパーツ指導だ」と日本語教師の養成講座で教わったものの、結局その意味をこの本に出会うまで完全に理解できていなかったのだと気がついた。

  • まずはカタカナを覚えさせ、漢字の中にあるカタカナが分かるようにする。
  • 基本的な部首の書き順、とめ、はね、はらいなどを正確に書けるようにする。
  • 基本的な部首の意味と形を覚える。
  • 漢字は組み合わせであることを理解させる。
  • 漢字には意味があることを理解させる。
  • 書かなくても、漢字を書けるようにする。
  • 漢字を読んで覚える。
  • 覚えた漢字を使う場面を設ける。など 

上記はいずれもすでに私自身が知っていたことと重なる部分も多い。盲学校での漢字指導と完全に同じやり方で外国人へ指導することはできないと思うが、結局学習対象者に合わせて何が学習上の問題なのか教え方を考え続けない限り、持っている既存知識は無駄になってしまうのだと感じた。また、盲学校の漢字指導が外国人への漢字指導にも使えるように、外国人への漢字指導は、そうでない人にも有用なのだという可能性に気づけた。

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